「ジェロニモ・スティルトン」シリーズの理念
「ジェロニモ・スティルトン」シリーズにこめられた思い
ジェロニモ・スティルトンは、けっして万能のヒーローではありません。ちょっぴり気の弱いジェロニモが、勇気をふるって冒険にいどむ姿は、きっと、子どもたちに勇気をあたえます。ジェロニモの気持ちになって、心配したり、いっしょに笑ったり、よろこんだり……ジェロニモは子どもの気持ちによりそうキャラクターなのです。
ジェロニモ・スティルトンは、どんな困難にもくじけません。そして、物語を通して、未来へ生きる子どもたちに、たくさんの「大切なこと」を伝えます。
家族の大切さ。恐れを克服すること。他人の失敗を受け入れること。学ぶことの大切さ。自分たちとはちがう人々や文化を受け入れること。目上の人や弱い人を尊重する心。未知のものへの好奇心……。人はだれでも、自分一人でやるよりは、だれかと協力したほうがうまくいくものです。まだ自分の世界しか知らない子どもたちに、もっと広い世界を教えることができるのが、本の持つ力です。
ジェロニモ・スティルトンの物語は、冒険とおどろきに満ちています。そこには、家族愛や友情、平和への思いなど、子どもたちの心の栄養となるメッセージがたくさんつまっています。
ジェロニモ・スティルトンのモットー>
ジェロニモは、彼本人いわく、「ごくふつうの、平凡なネズミ」です。でも、彼の考える「ごくふつうのこと」は、実際にはどれもなかなかむずかしいことです。他人のためにつくすこと。今日よりも明日の自分がよりよくなれるように努力すること。そのせいでどんなたいへんな状況におちいっても、ジェロニモはめげません。彼の前向きさは、一番の「強さ」です。
ジェロニモ・スティルトンと「平等」
ジェロニモ・スティルトンは、どんなに自分とちがった人に対しても、平等に接します。世の中にはいろいろな考え方や文化、いろんな年齢や男女の区別がある。そのことを受け入れ、どんな人に対しても心を開いて接することを忘れません。
ジェロニモ・スティルトンと「人生」
家族や友人、自分の仕事に心をつくすジェロニモは、気づけばトラブルに巻きこまれて、とんでもない不幸におちいっていることがあります。でも、どんな冒険であっても、物語の最後には、ジェロニモはたくさんの友人や家族にかこまれて、幸せを感じます。彼にとって人生は、どんなときでも、美しいものなのです。
ジェロニモ・スティルトンと「幸せ」
ジェロニモにとって幸せとは、持っていないものを手に入れることではありません。すでに持っているものを大切に思うことが、彼にとっての幸せです。いまあるものに目を向け、そこに前向きに力をそそぐことが、真の満足につながるのです。
ジェロニモ・スティルトンと「平和」
数々の冒険のなかで、ジェロニモはいつも戦争の恐怖と平和の大切さを強調しています。わたしたちの未来は美しいということを忘れてはいけない。それをジェロニモは本を通して伝えようとしています。ジェロニモのモットーは、「戦争に反対するよりも、平和を支持しよう。」です。
ジェロニモ・スティルトンと「勇気」
恐怖心と向き合うこと。それは恐怖心に立ち向かうための一番いい方法だと、ジェロニモは物語を通して教えてくれます。困難に立ち向かう経験は、たくさんの努力を必要とします。でもそのことが、自分を成長させ、新しい才能を花ひらかせる手助けになるのです。ほんとうの勇気というのは、恐怖心がない状態になるのではありません。自分の限界を知って、それを乗り越えようとするとき、人はほんとうの勇気を手に入れます。
ジェロニモ・スティルトンと「家族」
ジェロニモにとって、愛する家族や友人たちは欠かせません。家族や友人は、ジェロニモの根っこをささえ、落ちこんだときにも明るく照らしてくれる存在です。愛する人たちにかこまれていれば、事件を解決する力もわき、その力はつきることをしらないのです。
ジェロニモ・スティルトンと「友情」
ジェロニモにとって、友情は大切なものです。愛する友人を守るために、どんな困難にも立ち向かいます。ふだん気の弱いジェロニモは、友人のピンチになると、力強く立ち上がる「ヒーロー」なのです。
ジェロニモ・スティルトンと「仕事」
ジェロニモは自分の仕事を愛していて、いつもこう言っています。「ああ、ぼくはなんて本が好きなんだろう。読むのも、ページをめくるのも、においをかぐのも大好きだ。真新しいインクと印刷されたばかりのページのにおいといったら! 編集者の仕事って、なんてすばらしいんだ!」
ジェロニモはよく働くし、いつも忙しいのですが、それでも仕事を楽しんでこなしています。仕事は自分にとって人生そのものだし、大好きなことを仕事にできるなんてとても光栄なことだと思っているからです。ジェロニモはいつも、新聞の仕事や、「ジェロニモ・スティルトン」シリーズの執筆活動に、心をこめてはげんでいます。真心のこもったジェロニモの書く冒険物語は、だからほかの本とはひと味ちがうのです!
ジェロニモ・スティルトンと「敵」
敵と向かいあっても、ジェロニモはいっさい暴力にうったえません。たとえ敵であっても、相手を尊重し、フェアプレー精神にのっとって対決しようとします。敵にからかわれているときこそ、自分の忍耐力をためすチャンスなのです。
ジェロニモ・スティルトンと「ファンタジー」
「ファンタジー」という言葉は、「見せる」という意味のギリシア語phaino(ファイノ)から来ています。現実の状況や根拠にしばられることなく、物語を発明したり、想像上の状況を考えだしたりする心の働き。それが「ファンタジー」の力です。
ファンタジーは、現実世界からの逃避ではありません。想像のなかで、仲間たちといっしょにわくわくする冒険をして、帰ってくる。その想像上の経験を通して、ひとは成長します。
想像力のある人々は、世界をちがった視点で見ることができるし、他人にはわからないことがわかるようになります。そして、現実の世界でなにか問題が起きたときには、本でつちかった想像力を使って、いろいろな視点から、問題を解決することができるのです。
ジェロニモ・スティルトンと「想像力」
「イマジネーション」という言葉は、ラテン語のimaginatio/imaginari(イマジナチオ/イマジナリ)から来ています。ふだんの生活で見たり聞いたりすることから、さらにいろいろなことを思い浮かべる力です。たとえば、本を読んだり映画を観たりすると、まるで自分がその主人公かのように、なりきって考えることができます。
想像力は、自分がいろいろな困難な状況にあるとき、あらゆる解決のパターンを教えてくれ、手助けをしてくれるものです。子どもたちの日常には、苦手なこと、つらいこと、逃げたいようなこともたくさんあります。そんなとき、前向きな想像の力は、はげまし、勇気づけ、夢の実現へとみちびいてくれます。
ジェロニモ・スティルトンと魔法
魔法の杖は、現実の世界を変えることはできません。大昔から、人は杖のひとふりでなんでも解決できないかと望んできました。でも、そんな都合のいい魔法は、存在しないのです。
あやふやな魔法の呪文やアイテムにたよるのではなく、自分の力を使って解決すること。それが、ジェロニモのやり方です。魔法使いや魔女や妖精、鬼や小人は、おとぎ話に息づくもの。ジェロニモは、自分の力で、現実に立ち向かいます。
ジェロニモ・スティルトンと悪役たち
物語の世界では、鬼や魔女のような悪役が存在します。ジェロニモの物語では、悪いことをすると不幸せな結果がきちんとおとずれます。悪いことをするのに、幸せになるようなことはありません。たとえ結果がすぐにあらわれなくても、正しい行いが最後には勝つのです。
ジェロニモ・スティルトンと「ハッピーエンド」
ジェロニモはヒーローではないし、力が強いわけでも、超能力を持っているわけでもありません。気が弱いし、おくびょうでこわがりです。それでもジェロニモは、冒険の最後にはいつも成功をおさめて、困難に打ち勝ちます。これは彼の前向きな気持ちと、あきらめない心、そしてなによりも家族や友人たちの助けによるものです。
まだ大きな力を持たない子どもたちにとって、このジェロニモの物語はとてもはげみになるでしょう。「あのおくびょう者のジェロニモにできることなら、自分も、恐怖心に打ち勝って、困難を克服できるんだって!」って。
ジェロニモの物語はどれもハッピーエンドで終わります。これは、ジェロニモから子どもたちへ、希望のメッセージです。ジェロニモは、未来を信じて、困難なことにくじけないで、よりよい未来を作っていこうと、子どもたちによりそい、はげましているのです。